モノイク不動の人気を誇る、ガラス作家の櫻井彩さん。
2024年11月、山口県にある工房にお邪魔してきました。
この日は、秋の気配を置き去りに冬の訪れを一段と感じる寒い一日。
今年の2月に新しい工房に移転され、今回はじめての訪問でした。
新しい工房は、猿やウサギにでぐわすほどの山林に囲まれた場所。
作業台に無造作に置かれた工具に思わずパシャリ。
工房の角には一人がけの特等席のソファーがあり、小窓から差し込む優しい光に作品たちもキラキラと喜んでいるみたい。
至るところに並ぶ作品は、はじめて見るものも多く、これまた思わずパシャリ。
カメラ小僧の心を鷲掴みにするくらいどこを切り取っても絵になる空間に心が躍りました。
この日櫻井さんに会うのは、2023年の個展(しゅわ。しゅわ。)以来で1年とちょっとぶり。
外の寒さとは裏腹にTシャツ姿で出迎えてくれた櫻井さんに最初は驚いたけれど、炉の熱気で工房内は、まさに夏。
納得のTシャツ姿…
カメラ片手に櫻井さんを必死に追いかける僕は、すぐにビショビショ汗だくに。
ガラスを扱う過酷な現場を身をもって体験してきました。
夏は行けないな。
今回のブログでは、
数量限定で販売する鏡餅の制作風景をご紹介したいと思います。
まず、作ってくれたのは鏡餅のお餅部分。
櫻井さんの鏡餅は、シュワシュワの気泡が可愛さの秘訣。
その秘密は
”重曹”
アツアツに熱されたガラスを重曹を溶かした水にドボンっと一瞬入れて熱いガラスをもう一度巻くと、しゅわしゅわの気泡に。
重曹に入れる前がこれ。
重曹に入れた後がこれ。
このしゅわしゅわになったガラスの玉を色々な工具を使って鏡餅の形に整えていきます。
あんなに丸かったガラス玉が、少しずつ2段になっていきます。
お餅ができたら、次は鏡餅に欠かせないジューシーな橙作り。
ガラスに橙色になるパウダー状の魔法の粉をかけながら作っていきます。
橙ができたら、次はお餅と橙をドッキング。
緊張の瞬間です。
無事にちょこんと乗った橙に櫻井さんも笑みがこぼれます。
ドッキングした後も魔法の粉をかけては温めてを繰り返し、理想の橙に近づけていきます。
櫻井さんの理想はつぶつぶでザラっとした瑞々しい橙なんだそう。
理想の橙ができた後は、橙の葉っぱ部分。
そろそろ作業も大詰めです。
まずは緑の原料のガラスをバーナーで熱して溶かします。
それをペンチのような工具でギュッと挟んでミョ~んと引っ張ります。
するとあら不思議!
できた葉っぱを鏡餅にドッキング。
葉っぱの角度調整をして見覚えのある鏡餅になりました。
できた鏡餅を吹き竿から外して、鏡餅のお尻(接着部分)をスプーンを使って平たくします。
そして、最後はゆっくりと冷ますための休憩スペースに。
冷めた鏡餅は、水引を結んでおめかしして、櫻井さん手縫いの赤座布団に乗せて完成!
2段の丸餅は月と太陽を表し、「幸福と財産(福徳)が重なる」「円満に歳を重ねる」、餅の上にのせる橙は「家が代々栄えるように」という意味がそれぞれあります。
■ガラスの鏡餅 小(赤座布団付き)
・鏡餅
直径:約4cm
高さ:約6cm
・赤座布団
縦:約8cm
横:約8.5cm
※平均的な大きさです
※個体差がありますのでご了承ください
<素材>
ガラス
<付属品>
赤座布団
化粧箱